藤井風と走る。
ランニング中に聞く音楽は、もっぱら藤井風(敬称略)だ。
自分を開放してくれるランニングにぴったりの伸びやかな声と音楽だと思う。
藤井風といえば、いわずもがな岡山出身のシンガーソングライターで
いまや日本だけでなく海外でも有名なミュージシャン。
普段テレビをほとんど見ないし、音楽も聞かない私でも、
さすがに名前は知っていた。
『死ぬのがええわ』の「あなた」
たまたま実家で2022年末のNHK総合の特番
「NHK MUSIC SPECIAL 『藤井風 いざ、世界へ』」を見た。
紅白で『死ぬのがええわ』という楽曲を歌うための
前宣伝のような番組だった。
2022年、Spotifyで海外で最も多く再生された日本の曲が
藤井風の『死ぬのがいいわ』だという。
そのとき、『死ぬのがいいわ』はもちろん藤井風を見るのも聞くのも初めてだった。
あなたとこのままおさらばするより死ぬのがええわ 死ぬのがええわ
お経を彷彿とさせる曲調に刺激的な歌詞。
NHKで流したら、クレームの電話が入るのではないか??!
(そのために特番でワンクッション置いたか?!)
藤井風本人は、25歳という若さで背が高くて顔もスタイルも抜群。
一方、なんだかぼや~っとした話し方やたたずまい(失礼)なのに、
不思議と惹きつけられるかわいらしさがある。
特番で一番印象に残ったのが歌詞に出てくる「あなた」についてのインタビュー。
誰もがそう思うように、『死ぬのがええわ』は恋愛の歌だと思っていた。
でも藤井風は、「あなた」は「自分の中にいる愛しい人、存在」と言った。
自分の中にある大事な部分を失くすくらいなら、死ぬほうが良いと、そんな意味らしい。
とても意外な答えで驚いた。
それから、紅白の生パフォーマンスを見て
どえらい色気に度肝を抜かれ、
気がついたらAppleMusicで
『死ぬのがええわ』と新曲の『grace』を買っていた。
音楽を購入するのは何年ぶりだろう??
『grace』の「あたし」
あたしに会えてよかった やっと自由になった 涙も輝き始めた
こちらはgraceのサビで、藤井風が開放感と充実感に満たされた表情と
声で歌っている。
この「あたし」はきっと、『死ぬのがええわ』の「あなた」と同じように
自分の中の最も愛おしくて大切にしたい「あたし」だ。
「あたし」に会えると、自由になって人生が輝き始めるのだ。
うつの経験で、「自分を解放し大切にすること」がいかに重要か、
逆に自分を大切にしないことがいかに、自分を傷めつけるかということを
身にしみて実感していた私に、まっすぐに響いた。
そして、リリースされた2枚のアルバムを購入して今に至る。
歌詞から入った私だが、シンプルに「声」が良くて聞いていて心地が良い。
いつか生で聞いてみたい、見てみたい!
地方に来てください。藤井風さん。
ゆうらり
「ゆうらり」も藤井風さんの楽曲『きらり』から考えたネームです。